周期表第 IVB 族に属する炭素族元素の一つ。シリコンともいう。天然には遊離の状態では存在しないが,酸化物やケイ酸塩として岩石中に多く存在し,地殻形成の主成分となっている。1823年にJ. J. ベルセリウスがケイ化フッ素をカリウムで還元して初めて単離した。silicon の名称は,ラテン語の火打石(二酸化ケイ素 SiO2から成る)を意味する silex に由来している。
[性質・用途] ダイヤモンド型構造をもち,モース硬度7。無定形ケイ素(褐色粉末)と結晶性ケイ素(暗黒青色)がある。空気中,常温では安定であるが,無定形ケイ素は空気中で加熱すると二酸化ケイ素 SiO2を生ずる。結晶性ケイ素はフッ化水素酸には不溶だが,無定形ケイ素は溶ける。アルカリ溶液には両者とも水素を発生して容易に溶ける。
Si+2OH-+H2O嚏嚥SiO32-+2H2
1000℃以上では窒素とも反応し,窒化ケイ素SiN を生成する。ハロゲンとは反応しやすく,フッ素とは常温で,塩素や臭素とはそれぞれ430℃および500℃以上で反応し四ハロゲン化ケイ素(SiF4,SiCl4,SiBr4)を生ずる。王水には徐々に侵される。高温では多くの金属酸化物を還元して金属を遊離させる。また,有機ケイ素化合物も多く知られており,アルカン(パラフィン系炭化水素CnH2n+2)に対応するシラン(水素化ケイ素SinH2n+2)およびその誘導体,シロキサン結合-Si-O-Si-O-を有するケイ素樹脂(シリコーンsilicone)などはその代表的なものである。
エレクトロニクス工業における半導体材料として重要であり,また,ケイ素鋼などの合金元素,金属製錬の際の還元剤,脱酸剤,ケイ素樹脂の製造原料として用いられる。
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